【141】 ◎ トム・コネラン (仁平和夫:訳) 『ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念』 (1997/11 日経BP社) 《[新装版] (2014/04 日経BP社)》 ★★★★☆

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ディズニー7つの法則 新装版.jpg キャスト・細部への配慮・こだわりが顧客満足へ。楽しく読めて感動も。
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ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念』['97年/日経BP社] ディズニー7つの法則 新装版』['14年/日経BP社]
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 「顧客満足」コンサルタントによる本書は、「ディズニーのために書かれたものではない」ということですが、読みやすい小説仕立て、各方面5人のビジネス人男女が、ディズニー・ワールドの探検ツアーを通してその成功の秘密を体感していく様が描かれています。

Disney World Characters.jpg 来園者を〈ゲスト〉、従業員を〈キャスト〉と呼ぶディズニーの経営姿勢が、どういった形でテーマパークに生かされているかがよくわかり、「顧客満足」とは何かということをテーマとした本ですが、ビジネス全般に通じる示唆を含んでいて、また読み物として感動させられる箇所も多くありました。

 ディズニー・ワールドには行ったことはないけれど東京ディズニー・リゾートは定期的に家族と訪れていて、"順番待ち担当"の身にどうしても目につくのは〈キャスト〉の仕事ぶりで、いつもスゴイなあと思って見ています。「全員がゴミを拾う」ことが〈キャスト〉に徹底しているのはよく知られているところですが、「金箔」の話など、テーマパークの「細部へのこだわり」が新たにわかり、利用者の立場から読んでも興味深く楽しいものです。 

かうれミッキー.jpg そして、それらが〈ゲスト〉のためだけでなく、むしろ〈キャスト〉へ向けてのメッセージであるという点が、個人的には最も興味深く思われ("隠れミッキー"なども元は内輪受けからスタートしているようです)、そうした配慮やこだわりが、結果的には〈ゲスト〉の満足度にもつながっていくのだということがよくわかりました。

 原題はタイトルが"Inside The Magic Kingdom"、サブタイトルが"Seven Keys to Disney's Success"で、こちらの方が自分にはしっくりきました。邦題は「7つの法則(Seven Keys to Disney's Success)」の方が本題にきているためにセミナー本っぽい感じがしますが、セミナー本としても使えるように「7つの法則」に纏めているのであり、まず読み物として読んで、感動した部分があれば自らの心に刻むようにすればいいのではないかと思います。

【2014年新装版】

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