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テキストとしてまとまっているが、もう少し面白いものを期待していた。
『経営者の条件』 岩波新書 〔04年〕
本書ではまず、経営者を「オーナー経営者」と「サラリーマン経営者(専門経営者)」に区分し、実事例を挙げながらその特質を分析しています。
そのうえで、経営者の役割や求められる能力を、学者や経営者の言説に基づいて示し、日本的組織の中で「専門経営者」が果たしてきた役割やその限界を考察しています。
さらに後段では、多発する経営不祥事に触れ、経営者と企業倫理の問題を考察しています。
これらは、リクルート社の専務として、あの江副浩正という創業社長を「専門経営者」の立場から支えてきた著者ならではの流れであり考察であるかと思います。
HRR(リクルートの人事測定事業社)の初代社長でもあるということで面白いものを期待しましたが、本題である「条件」等については、ドラッカー、P・コッター、ジャック・ウェルチなどの言っていることをそのまま引いていて、著者自身の独創があるわけではなかったのが残念でした。
経営者能力のアセスメント手法(HRRのもの)の紹介などにその特徴が表れている程度です。
それでも、経営者の機能とは何かなどを再整理するうえでの“テキスト”としてのまとまりはあるかと思います。
セゾングループやダイエーグループのオーナーの挫折と「専門経営者」の奮闘に触れていますが、そのあたりをもっとドラマチックに書いたら面白いかとも思うけれど、そうしたら「新書」ではなく「小説」になってしまうのかも。
