【129】 ◎ ジョン・P・コッター 『リーダーシップ論―いま何をすべきか』 (1999/12 ダイヤモンド社) ★★★★★

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リーダーシップとマネジメントは別、組織変革を促すのは前者だと指摘。

コッター.jpg 『リーダーシップ論―いま何をすべきか』 (1999/12 ダイヤモンド社)  whatleadersdo.jpg John P. Kotter on What Leaders Really Do (Harvard Business Review Book)

Executive Leadership Skills.bmp リーダーシップ論のバイブルとまで言われている本ですが、本書の要諦は序章にまとめられていて、つまり、リーダーシップとマネジメントは別物であり、 
 「マネジメントの仕事は、計画と予算を策定し、階層を活用して職務遂行に必要な人脈を構築し、コントロールによって任務をまっとうすること」 
 であるのに対し、 
 「リーダーとしての仕事は、ビジョンと戦略をつくりあげ、複雑ではあるが同じベクトルを持つ人脈を背景とした実行力を築き、社員のやる気を引き出すことでビジョンと戦略を遂行することである」ということです(25p)。
 
 著者は本書で、リーダーシップの新しいスタイルを述べているのではなく、リーダーシップの普遍的性質を解き明かそうとしているのですが、その1つに、マネジメントがオフィシャルな組織ラインを通じて実行されるのものであるのに対し、リーダーシップはインフォーマルな人的ネットワークを構築して組織に働きかけるものであると言っています。 

 これは著者が有能とされるゼネラル・マネジャーに対するインタビューと実地調査をまとめた『ザ・ゼネラル・マネジャー』('82年発表)で、その行動特性としての「人的ネットワーク構築」を指摘していたことと符合します(本書の最終章に同趣旨の要約あり)。
 
 実際に組織を動かす人は、マネジメントとリーダーの仕事の両方をこなすわけですが、組織を変革しようとする際の原動力はリーダーシップにあり、変革が急がれる部門にマネジメント重視の管理者を置いても変革は進まないという著者の指摘は、経営者が社内ポストやプロジェクトへの人員配置を考える際のヒント乃至チェックポイントになるのではないでしょうか。

 個人的には、リーダーというのは素質的なものもあると思うのでが、著者は、リーダーは育成できるものだとしています(ただし、同時に不足しているとも言っている)。
 優れたリーダーというのはインフォーマルな人的ネットワークの構築ができ、そうした依存関係の中でパワーを発揮しているというのが著者の見方で、エンパワーメント(権限委譲)が次のリーダーを育成し、組織改革を促すという点は、大いに賛同するところです。
 
 本書の序章には、コッター教授の有名な「成果に導く組織変革の8段階」なども示されていますが、本書に書かれていることは何れも実地で生かされなければ意味が無いわけで、まずリーダーシップとマネジメントの違いを日常において意識することから始めてみてはどうでしょうか。

《読書メモ》 
●成果に導く組織変革の8段階
 第1段階:「危機意識を高める」
 第2段階:「変革推進チームをつくる」
 第3段階:「ビジョンと戦略を掲げる」
 第4段階:「ビジョンと戦略を周知徹底する」
 第5段階:「行動の障害を取り除く」
 第6段階:「短期的な成果を生みだす」
 第7段階:「さらなる変革を推進する」
 第8段階:「新しい文化を定着させる」 

 



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