【202】 ○ 宮城 音弥 『天才』 (1967/02 岩波新書) ★★★★

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「知能指数の極めて高い人=天才」ではないことを教えてくれる本。

天才.jpg  『天才』 岩波新書 〔'67年〕  ミケランジェロ.jpg ベートーベン.jpg ゲーテ.bmp ドストエフスキー.jpg マルクス.jpg

 「天才」とは何かを指摘した本で、ミケランジェロからベートーベン、ゲーテ、ドストエフスキー、マルクスまで数多くの天才をとりあげ、彼らを心理・精神医学的に分析していて興味深く読めます。

 著者によれば、知能指数の極めて高い人が「天才」なのではなく、それは「能才」と呼ぶべきもので、「天才」には創造的能力が無ければならないということです。
 しかし、「天才」の多くは知能指数が高かった(つまり「能才」の素質を兼ねていた)と推定されるようです。

 また「天才」は、成功し世に認められなければ「天才」とは呼ばれないわけです。 
 ですから「天才」は、〈時代の要請〉との相性が合った人たちとも言えるのではないでしょうか。 
 
 ところが、「天才」の多くには心理学的に異常な面があり(その異常性が創造性に結びつくと著者は考える)、「能才」に比べて社会的適応性が無かったか、あるいはそれを犠牲にした人物がほとんどを占めています。
 従って、後世に認められたとしても、生きている間は不遇だったりするケースが多いのです。

 著者の主張は、「天才」は正常な精神の持ち主ではない、というアリストテレスの「天才病理説」に帰結します。
 従って、教育で創られるものでもない、ということになります。
 
Raffaello.jpg 興味深いのは、ラファエロのように、推定知能指数が110程度の「天才」もいることで、「天才」の1割は“正常”(?)だったという研究もあり、彼もその1人です。
 ラファエロは14歳ですでに画家として有名でしたが、画風や仕事ぶりは職人(または親方)タイプだったそうです。
 「天才」グループに紛れ込んだ“偉大なる職人”とでも言うべきでしょうか。



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和田泰明ブログ

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This page contains a single entry by wada published on 2006年8月20日 13:19.

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