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ユング心理学の用語や分析家としての姿勢のニュアンスが、"対談"を通して語られることでよくわかる。
『魂にメスはいらない―ユング心理学講義』 朝日レクチャーブックス 〔'79年〕
『魂にメスはいらない―ユング心理学講義』 講談社+α文庫 〔'93年〕
本書は、詩人・谷川俊太郎が河合隼雄にユング心理学について話を聞くというスタイルになっています。
河合氏によるユング研究所に学んだ時の話から始まり、夢分析などに見るユング心理学の考え方、箱庭療法の実際、分析家としての姿勢などが語られ、最後はイメージとシンボル、自我と自己の違いの話から、谷川氏との間での創作や世界観の話にまで話題が及び、内容的にも深いと思いました。
ユング心理学の用語や分析家としてのあるべき姿勢が、"対談"を通して語られることで、ニュアンスとしてよく伝わってきます。
心理療法について体系的に理解したい人には、河合氏の『ユングと心理療法』('99年/講談社+α文庫)の併読をお薦めします。
本書は「朝日レクチャーブックス」(朝日出版社)の1冊で、'79年に刊行されたものです。
このシリーズは30冊あり、廣松渉←五木寛之、今西錦司←吉本隆明、岸田秀←伊丹十三など、学者に作家が話を聞くというパターンがほとんどですが、いずれも内容が濃いものばかりです(そのわりに文庫化されているものが少ないのが残念)。
その中でも本書は、聞き手(谷川)のレベルが高く、対等な対談者となっている稀なケースだと思われます。
【1993年文庫化[講談社+α文庫]】
