【282】 ○ エドワード・G・サイデンステッカー/松本 道弘 『最新日米口語辞典 [増補改訂版]』 (1982/01 朝日出版社) ★★★☆

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「読む」辞典。読みながら日米口語の共通点や相違点が掴める。

最新日米口語辞典2.jpg 『最新日米口語辞典 増補改訂版』 (1982/01 朝日出版社)

 「A」の"あばたもえくぼ"― Love is blind から「Z」の"頭痛のタネ"―one's biggest headache まで、約600ページに3,000語を収録しています。
 つまり1ページ平均5語。それだけ一語一語の説明が丁寧で、例文も豊富であるということになります。
 「引く」辞典ではなく「読む」辞典であり(活字も通常の辞典より大きめで、紙質もいい)、読みながら日米口語の共通点や相違点が掴めます。

エドワード・ジョージ・サイデンステッカー.jpg 初版が'77年、増補版が'82年とずいぶん以前であるのに古さを感じさせないのは、日本語の抽出の仕方が口語とは言えオーソドックスで、時代を経ても使われ続けられるものを選んでいるためと思われます。
 このあたりは、編纂者の識見のなせる技でしょうか。

Edward George Seidensticker (1921-2007)

 エドワード・サイデンステッカーは谷崎潤一郎、川端康成作品などの翻訳でも有名な人で(川端康成のノーベル文学賞受賞の貢献者とも見なされている)、日本語の面白さがよく出ている表現が多く(これを英語に訳すと、残念ながら必ずしも同じくらい面白いものになるわけではないのだが)、また、時代の波に消えてしまうような言葉はあまり入れていないようです。

 米語の発想に触れるうえでは、多くの学習者にとって有益だと思います。
(後に、 『生物と無生物のあいだ』('07年/講談社現代新書)の著者・福岡伸一氏が、この辞書の愛読者であることを知った。)
 ただ、ここにある米語の口語表現を会話の中で使おうとするならば、会話表現力が相当ないと、その部分だけ"一点豪華主義"みたく浮いてしまうと思います。



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2 Comments

エドワード・ジョージ・サイデンステッカー 2007年8月26日、外傷性頭蓋内損傷のため死去。86歳。

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