【459】 ○ 手塚 治虫 『ブラック・ジャック (全25巻)』 (1974/05 秋田書店・少年チャンピオン・コミックス) ★★★★ (? 大林 宣彦 (原作:手塚治虫) 「瞳の中の訪問者 (1977/11 ホリプロ=東宝) ★★★?)

「●て 手塚 治虫」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【463】 手塚 治虫 『陽だまりの樹
「○コミック 【発表・刊行順】」の インデックッスへ 「●日本のTVドラマ (90年代~)」の インデックッスへ
「●あ‐か行の日本映画の監督」の インデックッスへ 「○日本映画 【制作年順】」の インデックッスへ

大人でも解けない問題を子どもの前にシンプルな形で提示している。

ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス) .jpg 『ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス)』['74年] ブラック・ジャック.jpg  『ブラック・ジャック 1 [新装版] (1)』秋田書店 〔'04年〕

ブラックジャック.JPG '73(昭和48)年11月から'83(昭和58)年10月まで約10年にわたり「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に連載された医療漫画の元祖で、今だこれを超える医療漫画はないとされている手塚治虫の代表作。'77(昭和52年)度・第1回「講談社漫画賞」を受賞しています。

『ブラック・ジャック (全25巻)』(1974 /秋田書店・少年チャンピオン・コミックス)

ブラック・ジャック2.jpg このマンガがスゴイなあと思うのは、大人でも解けないような問題を、子どもでも読めるシンプルな形で提示しているところで、例えば、第17話の「二度死んだ少年」で、ブラック・ジャックが命を救った少年が結局は死刑になるという話。これを読んだ子どもはどう考えるのでしょうか。「子どもの死刑」など、小説では成り立ちにくい設定かもしれませんが、その点はマンガの利点を活かしていると思います。でも、こうしたテーマに対する答えを出すのは大人にも難しいでしょう。

 テレビアニメ化されましたが、1話当たりが長くなっているため、原作の本筋は変えないものの、"装飾品"が多くなってしまっている感じがします。
 それと、何だかやたら明るいのです。原作のタッチはもっと暗いし、ストーリーもゲッというようなものもあります(少年チャンピオン・コミックスでも最初のうちは「恐怖コミックス」と銘打っていた)。

 後半にいくに従いヒューマンな色合いが強くなりますが、カルト的な楽しみも見出せます。 
瞳の中の訪問者.jpg瞳の中の訪問者 宍戸錠.jpg 例えば、第167話の「春一番」は、'77年に脚本・ジェームス三木、監督・大林宣彦で「瞳の中の訪問者」というタイトルで実写版映画化されていて 、ホリプロの"新人"片平なぎさを売り出すためのプロモーション映画ともとれるものでした(「ブラック・ジャック」の実写版は加山雄三と本木雅弘がそれぞれブラック・ジャックを演じたものが知られているが、この作品でBJを演じたのは宍戸錠!)。
DVD瞳の中の訪問者('77年)

 珍品というか、今では一種のカルトムービーのような評価になっていて、原作との対比で見ると面白く(原作の方がマトモ)、結構笑えます。
                                    
「瞳の中の訪問者」●制作年:1977年●監督:大林宣彦●製作:堀威夫/笹井英男●脚本:ジェームス三木●撮影:阪本善尚●音楽:宮崎尚志●原作:手塚治虫 「春一番(「ブラック・ジャック」)」●時間:100分●出演:片平なぎさ/宍戸錠/山本伸吾/志穂美悦子/峰岸徹/和田浩治●公開:1977/11●配給:ホリプロ=東宝(評価:★★★?)

ピノコ誕生.jpg この新書版(コミックス版全25巻)のほかに、講談社の全集 (全22巻)や秋田文庫(全17巻)などにもありますが、読者クレームなどのため途中で抜いた話もあるようです。
 ただ、第2巻から登場のピノコも、双子の片割れの「畸形膿腫(きけいのうしゅ)」だったわけで、この話はテレビアニメでも放送開始後1年経ってようやく「ピノコ誕生」というタイトルで放映されましたが...(BJによる"回想"というかたちで)。 
ブラック・ジャックdx.jpg 新書の新装版も刊行中ですが、さらに収録されない作品が出てくるかも。   
講談社 DX版 〔'04年〕

 ピノコについては、この物語を、BJとピノコの恋愛物語(ロリータ愛ということになる)と見る見方もあるようで、ナルホド、ピノコは本当は18歳(18年間、母体内にいた)、だけれども女性というよりは少女、むしろ幼児近い(「人工」の身体という意味では人形にも近い)、こうした女性に成りきらない「女の子」というのは、他の手塚作品でも結構いたことに思い当たります。


「ブラック・ジャック」●演出:手塚眞●制作:諏訪道彦●音楽:松本晃彦●原作:手塚治虫●出演(声):大塚明夫/水谷優子/富田耕生/川瀬晶子/阪口大助/江川央生/渋谷茂/山田義晴/滝沢ロコ/渡辺美佐/小形満/後藤史彦/佐藤ゆうこ●放映:2004/10~2006/03(全63回)●放送局:読売テレビ

 【1974年コミックス版(全24巻+1巻)・1987年四六判(全17巻)・2001年B6判(全24巻)・2004年新装コミックス版判(全17巻)[秋田書店]/1977年全集・2004年B6判(DX版)[講談社(全22巻)]/1993年文庫化[秋田文庫(全17巻)]/2010年再文庫化[講談社(手塚治虫文庫全集BT)]】

                     



ブログランキング・にほんブログ村へ banner_04.gif e_03.gif


Categories

Pages

Powered by Movable Type 5.01