【1017】 ○ ウィリアム・シェイクスピア (安西徹雄:訳) 『マクベス (2008/09 光文社古典新訳文庫) ★★★☆ (△ ロマン・ポランスキー 「マクベス」 (71年/米) (1973/07 コロムビア映画) ★★★)

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敢えて曇天の下でロケをした、ポランスキーの映画化作品を思い出した。

マクベス.jpg 『マクベス (光文社古典新訳文庫 Aシ 1-5)』〔'08年〕 安西徹雄.jpg 安西徹雄 (1933‐2008)

マクベス ポスター.jpgマクベス ポランスキー2.jpg 1606年に成ったとされるシェイクスピア4大悲劇の1つ。

 以前に、ロマン・ポランスキー監督の映画化作品('71年/米)を名画座で観ましたが、ローレンス・オリビエ監督の「ハムレット」('48年/英)とフランコ・ゼッフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」('68年/米)との3本立てでの上映で、この3本の中では一番時代劇風でありながらも、一番エキセントリックであったかも。

ロマン・ポランスキー監督「マクベス[ビデオ]」/ポスター(左)

マクベス ポランスキー.jpg  ホラー映画のような雰囲気もあり、ポランスキーだからと納得したいところですが、心理サスペンスが身上の彼にしては、マクベスの首から血がびゅうびゅう飛び出るようなシーンもあるスプラッター調。
 「マクベス」の映画化は、オーソン・ウェルズ他に続いて3度目でしたが、ポランスキー監督は、妻シャロン・テートを惨殺された事件の後の最初の作品で、血なまぐさいのはそのためなのか?(まさか)


リア王.jpg 安西徹雄の新訳も、『リア王』('06年/光文社古典新訳文庫)のときなどよりはちょっと"重い"感じで、もともと『マクベス』というのは、そうしたトーンの作品だということでしょうか。『リア王』みたいに道化も出てこないし...。

 ポランスキーの映画は屋内シーンがやけに暗く、セットの貧しさを隠すためにそうしたのだと言われていますが、野外シーンも同じように暗かったため、これは、敢えてどんよりとした曇天の下でロケをすることで、そうした中世スコットランドの政情不安からくる陰鬱なムードを象徴させていたということかも知れないと改めて思いました。

マクベス改版 角川文庫クラシックス.jpg マクベスが自らが殺したスコットランド王の幻影を見るシーンはちょっと滑稽さも感じるに対し、マクベス夫人が自分の手が血に塗られている幻覚を見るシーンは怖い。

 「バーナムの森が動かない限り」はマクベスの王座は安泰で、「女から生まれた者には敗れることはない」という魔女の予言が、どういった形でそれぞれ破られるのかというのも、読者の興味を引くところです。

 因みに、訳者の安西徹雄氏は、本書翻訳後、訳稿の校正段階で病のため入院し、'08年5月に逝去しています。残念。

 『マクベス―シェイクスピアコレクション (角川文庫クラシックス)

「マクベス」●原題:MACBETH●制作年:1971年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ロマン・ポランスキー●音楽:ザ・サード・イアー・バンド●原作:ウィリアム・シェイクスピア●時間:146分●出演:ジョン・フィンチ/フランセスカ・アニス/マーティン・ショウ/ニコラス・ セルビー/ジョン・ストライド/ステファン・チェイス/ポール・シェリー/テレンス・ ベイラー/アンドリュー・ローレンス/フランク・ワイリー●日本公開:1973/07●配給:コロムビア映画●最初に観た場所:三鷹オスカー(81-03-15) (評価★★★)●併映:「ハムレット」(ローレンス・オリビエ)/「ロミオとジュリエット」(フランコ・ゼッフィレッリ)


 【1958年・1997年文庫化[岩波文庫]/1968年・1996年文庫化[角川文庫]】

      



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和田泰明

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