【1041】 ◎ テオ・アンゲロプロス 「旅芸人の記録」 (75年/ギリシャ) (1979/08 フランス映画社) ★★★★★

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映像美、スケールの大きさ。ジグソーパズルのような構成の謎解きを堪能できる。

旅芸人の記録 dvd.jpg       旅芸人の記録パンフ2.jpg 旅芸人の記録(映画パンフレット).jpg      テオ・アンゲロプロス.jpg Theo Angelopoulos
テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I」/映画パンフレット

「岩波ホール」公開時ポスター(1979.08)
旅芸人の記録.jpg テオ・アンゲロプロス監督には、「ギリシャ現代史3部作」、「国境3三部作」、「20世紀3部作」(第1作「エレニの旅」('04年)のみ公開済み)などのシリーズがあり、70年代に発表された「旅芸人の記録」は「ギリシャ現代史3部作」の1つ。

 カンヌ映画祭で寺山修司の「田園に死す」と競い、国際映画批評家賞を受賞しました(当時の映画情報誌「シティロード」に両監督の対談が載った)。

 新作「エレニの旅」では個人史的色合いが強くなっていますが、「旅芸人の記録」を観れば、この監督がもともとは、歴史とそれに巻き込まれる人民の関係をダイナミックに描く映像作家であることがわかります。

 劇中劇としての「エレクトラ」の神話(娘が父親を愛し母親を憎むという精神分析用語"エレクトラ・コンプレックス"の由縁となっている話)と登場人物たちの相関関係との相似構造、同じ場所で年代差のある複数の事件が継ぎ目なく現れるなどの複雑なカットバック(これスゴイ!)が今見ても斬新です。

 「長回し」もこの人の特徴で、その分、映画自体も長くなる―。「アレキサンダー大王」('80年)では「長回し」が更に昂じたような気もして、「旅芸人の記録」の3時間52分に対して「アレキサンダー大王」の方が3時間28分とやや短いのに、観ていて「旅芸人の記録」より長く感じました。

 個人的にはやはり「旅芸人の記録」が、映像美、スケールの大きさからみて一番。劇場で鑑賞したいところですが、ジグソーパズルのような構成に謎解きを挑むつもりで、自宅で冷静に鑑賞するというスタンスでも充分堪能できます。

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旅芸人の記録5.jpg 劇中で右翼の男達に暴行され捨てられた後、いきなり立ち上がって「血の日曜日」事件などのギリシャへの侵略戦争史について滔々と語り始めるエヴァ・コタマニドゥ

新宿文化シネマ.jpg「旅芸人の記録」●原題:O THIASSOS●制作年:1975年●制作国:ギリシャ●監督・脚本:テオ・アンゲロプロス●撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス●音楽:ルキアノス・キライドニス●時間:232分●出演:エヴァ・コタマニドゥ/ペトロス・ザルカディス/ストラトス・パヒス●日本公開:1979/08●配給:フランス映画社●最初に観た場所:新宿文化シネマ1(80‐02‐11) (評価★★★★★
 新宿文化シネマ1 文化シネマ1〜4・2006(平成18)年9月15日閉館、2006(平成18)年12月9日〜文化シネマ1・4が「新宿ガーデンシネマ1・2」としてオープン(2006(平成18)年6月14日「角川シネマ館」に改称)、文化シネマ2・3が「シネマート新宿1・2」としてオープン

    



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和田泰明

テオ・アンゲロプロス2.jpg

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テオ・アンゲロプロス(1935年アテネ生まれ)  2012年1月24日 撮影中のギリシャ・アテネでオートバイの交通事故に遭い、搬送先の病院で死亡。享年76。

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