【1100】 ◎ ブライアン・デ・パルマ 「ボディ・ダブル」 (84年/米) (1985/02 コロムビア映画) ★★★★☆ (○ アルフレッド・ヒッチコック 「めまい」 (58年/米) (1958/10 パラマウント映画) ★★★★)

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「裏窓」×「めまい」+α。B級と言う人も多いが、個人的には好きな「ボディ・ダブル」。

ボディ・ダブル2.jpg ブライアン・デ・パルマ 「ボディ・ダブル [DVD]」  めまい.jpg アルフレッド・ヒッチコック 「めまい (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]

BODY DOUBLE.jpgBODY  DOUBLE.jpg B級映画俳優のジェイク(クレイグ・ワッソン)は、ドラキュラ映画の主演で棺に入るシーンで閉所恐怖症を起こしてクビになり、失意のまま帰宅したところ、同棲中の恋人が男と情事にふけつているという様。家は彼女のものであり、意気消沈のまま家を出た彼は、あるオーディション会場で、サム(グレッグ・ヘンリー)という男と知り合い彼の家へ招かれる。そこはモダンな豪邸で、サムはジェイクに留守中の家の管理を頼むとともに、望遠鏡越しに見える魅惑的な隣人(デボラ・シェルトン)の存在を教える―。

 ヒッチコックの「裏窓」('54年)と「めまい」('58年)を足して2で割ったような作品ですが、そうしたこともあって評価の割れる作品かも。

DRESSED TO KILL Angie Dickinson.jpg殺しのドレス.jpg デ・パルマ監督の同系統のサスペンス作品では「殺しのドレス」('80年)が知られてますが、確かに面白い作品で、美術館でのなめまわすようなカメラワークや、「サイコ」を意識したアンジー・ディキンソンのシャワー場面(代役がやったらしい)などが印象的でしたが、但し、観ている間はすごくのめり込まされるのですが、その分、終わってみるとな〜んだみたいな面もややありました(評価は星4つ。映画全体としては決して悪くなく、むしろ佳作の部類)。
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 ただ個人的には、「ボディ・ダブル」の方が、観終わったあとの印象も含めると「殺しのドレス」より良かったように思え、他の同監督の作品と比べても、最も自分の好みに近い作品です。

Melanie Griffith.jpg 意図的にあまり有名ではない俳優を使って撮っていて(メラニー・グリフィスも当時まだ売り出し中)、エロチックなシーンもふんだんにあり、この映画自体もB級の雰囲気を醸していますが、そこが却ってキッチュでいい。

Melanie Griffith 「ボディ・ダブル」より

 ヒッチコックへのオマージュを込めながらも、ミステリとしてのオリジナリティは十分にあるように思われ、個人的には「裏窓」×「めまい」+アルファという評価ですが、観る人によっては、最後が"マイナス"になる人もいるかも。

ワーキング・ガール チラシ.jpgワーキング・ガール 86米.jpg  映画後半に出てくるポルノ女優を演じたメラニー・グリフィスは、ヒッチコック監督作品「鳥」('63年)のヒロイン役を演じたティッピ・ヘドレンの娘で、この作品で彼女は演技開眼し、マイク・ニコルズ監督の「ワーキング・ガール」('88年)では、シガニー・ウィーバー、ハリソン・フォードらに伍する演技で、アカデミー主演女優賞にノミネートされています。
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 ウォール街の投資銀行のM&A部門で働く秘書(メラニー・グリフィス)が、尊大な女性上司(シガニー・ウィーバー)がスキー休暇中に骨折し職場復帰するまでの間に、上司の愛人(ハリソン・フォード)と共に進行中の合併話を期せずして進行させることになるというサクセス・ストーリーですが、メラニー・グリフィス、シガニー・ウィーバー共にいい味出していて、映画自体もまあまあ楽しめました。
 そう言えば"ワーキング・ガール"というタイトルには「キャリア・ウーマン」の他に「娼婦」という意味もあります。

ヒチコック監督「めまい」より
Kim Novak.jpg映画「めまい」1958 より.jpg 「ボディ・ダブル」の作品ベースとなっているヒッチコックの「裏窓」('54年)「めまい」('58年)では、(一般的には「裏窓」は評価が安定していて、「めまい」の方は評価の割れることが多いように思われるものの)個人的には「めまい」の方が優れているように思うのですが、この「めまい」という作品はそのカメラワークにおいて、ズームアウトしながらカメラを前方へ動かすことで被写体のサイズが変わらずに広角になる映し方(逆ズーム)で墜落感を表す手法や、カメラが被写体の周りを回る映し方(360°パン)でキスシーンなどの陶酔感を表す手法などが用いられていることでも有名で、デ・パルマ監督もこの作品でそうした技法をしっかり採り入れています。
 キム・ノヴァクの妖しげな魅力が印象に残った映画でもありました。



三軒茶屋中央劇場.jpg 「ボディ・ダブル」●原題:BODY DOUBLE●制作年:1984年●制作国:アメリカ●監督・製作:ブライアン・デ・パルマ●脚本:ロバート・J・アヴレッチ/ブライアン・デ・パルマ●撮影:スティーヴン・H・ブラム●音楽:ピノ・ドナッジオ●時間:114分●出演:クレイグ・ワッソン/グレッグ・ヘンリー/デボラ・シェルトン/メラニー・グリフィス●日本公開:1985/02●配給:コロムビア映画●最初に観た場所:三軒茶屋映劇 (85-09-15)(評価:★★★★☆)●併映:「聖女アフロディーテ」(ロバート・フュースト)/「ブレスレス」(ジム・マクブライド)
三軒茶屋中央劇場(1952年オープン)。同系列の「三軒茶屋映劇」(1925年開業)はこの建物の裏手にあったが(現「サンタワーズビル」、1992(平成4)年3月13日閉館。

「殺しのドレス」●原題:DRESSED TO KILL●制作年:1980年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ●製作:ジョージ・リットー●撮影:ラルフ・ボード●音楽:ピノ・ドナッジオ●時間:114分●出演:マイケル・ケイン/アンジー・ディキンソン/ナンシー・アレン/キース・ゴードン●日本公開:1981/04●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:テアトル吉祥寺 (86-02-15)(評価:★★★★)●併映:「デストラップ 死の罠」(シドニー・ルメット)/「日曜日が待ち遠しい!」(フランソワ・トリュフォー)/「ハメット」(ヴィム・ヴェンダース)

新宿アカデミー.jpgワーキング・ガール .jpg「ワーキング・ガール」●原題:WORKING GIRL●制作年:1988年●制作国:アメリカ●監督:マイク・ニコルズ●製作:ダグラス・ウィック●脚本:ケヴィン・ウェイド●撮影:ミハエル・バルハウス●音楽:カーリー・サイモン●時間:115分●出演:ハリソン・フォード/シガニー・ウィーバー/メラニー・グリフィス/アレック・ボールドウィン●日本公開:1989/05●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:新宿アカデミー (89-07-08)(評価:★★★☆)
新宿アカデミー (1975年12月「第一東亜会館」新装に伴い2Fにオープン) 2009(平成21)年11月30日閉館
 
 
 

ヒューマックスパビリオン 新宿歌舞伎町.jpgめまい パンフ.jpg「めまい」●原題:VERTIGO●制作年:1958年●制作国:アメリカ●監督・製作:アルフレッド・ヒッチコック●脚本:アレック・コペル/サミュエル・テイラー●撮影:ロバート・バークス●音楽:バーナード・ハーマン●原作:ピエール・ボワロー/トマ・ナルスジャック「死者の中から」●時間:128分●出演:ジェイムズ・スチュアート/キム・ノヴァク/バーバラ・ベル・ゲデス/トム・ヘルモア/ヘンリー・ジョーンズ/レイモンド・ベイリー/エレン・コービイ/リー・パトリック●日本公開:1958/10●配給:パラマウント映画●最初に観た場所:歌舞伎町シネマ1(84-03-31)(評価:★★★★) 
歌舞伎町シネマ1・歌舞伎町シネマ2 1985年、コマ劇場左(グランドオヲデオンビル隣り)「新宿ジョイパックビル」(現「ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町」)2Fにオープン→新宿ジョイシネマ3・新宿ジョイシネマ4。1997(平成9)年頃閉館。

       



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和田泰明

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