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「鉄腕アトム/地上最大のロボット」の浦沢流"料理方法"。
『PLUTO (1)』〔'04年〕/豪華版〔'04年〕
'03(平成15)年の「ビックコミックオリジナル」誌上での連載開始時から話題を席巻した作品。『MONSTER』('94〜'01年)で「手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞した浦沢直樹氏が、自らが「最初に読んで感動した漫画」という「鉄腕アトム/地上最大のロボット」('64年)を翻案したもので、浦沢氏は本作で2度目の「手塚治虫文化賞マンガ大賞」と3度目の「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞しています。また、宝島社が発行するムックで年度毎にマンガを投票でランキングする「このマンガがすごい!」(オトコ編とオンナ編に分かれている)で、オトコ編の2006年の第1位に選ばれ、フリースタイル刊行「このマンガを読め!2005」ベストテン第1位も獲得しています。
「鉄腕アトム/地上最大のロボット」
1巻ごとに完結しているわけでなく、連続したストーリーの途中までしか読んでなくて評価をするのは何ですが、面白いし、うまいなあと思いました。「地上最大のロボット」との比較論も巷に溢れており、その中では、「これは浦沢のアトムであり、手塚漫画とは別物」という見方がかなりあるようですが、リメイクとは元来そういうものであるはずだし、監修者である手塚真氏も、事前に「浦沢直樹自身の漫画が見たい」という注文をつけたそうです。
「地上最大のロボット」を読んで(できれば手元に置きながら)、浦沢直樹がそれをどのように料理したかを楽しみつつ読むのが一番いいのではないかと思います(『鉄腕アトム』全巻、持っています!)。
パンクチュアル・スーツとかは、ガンダム世代を意識したものなのでしょうか。いろいろと工夫の跡が見えます。『MONSTER』を読んだ人ならすぐに掴めてくる独特の雰囲気はあるかと思いますが、それでも第1巻の巻末のアトム登場の場面には、「こうきましたか」という感じ。ストーリーの大筋が分かっていても、"料理方法"に今後も期待が持てました。